組立の精度を精密加工で支える
時計店の時代から100年、特殊なねじを作り続けてきました。
精密機器が進化するほど、ねじの重要性はますます高まっています。
次世代を刻む量子コンピュータやヒューマノイドAIロボットさえも、ねじなしでは存在できません。
時代が変わっても、技術を支える役割は変わりません。
私たちはこれからも、精密さと信頼を兼ね備えたねじを提供し続けます。
特殊な環境で使用されている
「ねじ」の製作
当社では、一般的な締結ねじにとどまらず、耐熱性・耐食性・高強度・高融点といった過酷環境に適した特殊ねじの製造を行っています。
ニッケル、インコネル、タンタル、モリブデン、タングステンなどの難加工材を、高い品質管理体制のもとで精密に加工しています。
真空装置や高温炉、酸性雰囲気などの特殊条件下においても信頼性を発揮するねじを提供しています。
些細な傷やささくれは、厳しい環境下では致命的な破損や不具合の要因となるため、当社ではそれらを一切許さない加工技術を追求しています。
さらに、厳格な検査体制のもとで一本一本を徹底的に確認し、特殊環境で使用されるねじとして長期にわたる安定性と信頼性を確保しています。

材 料 | 主な特性 | 主な使用環境 |
---|---|---|
![]() | ニッケルネジは、優れた耐食性: 特にアルカリ(苛性ソーダなど)環境に非常に強いです。 延性・展性:加工しやすく、ネジとして成形しやすいです。 耐熱性:純ニッケルは一定の高温環境にも耐えます。 中性~還元性環境に強い/海水・アルカリに強靭 ~600 °C(純Ni)~1 050 °C(Ni基超合金化) | ・苛性ソーダやアルカリ薬品を扱う化学プラント ・食品加工設備 ・海水関連の装置(ただし、より過酷な場合はハステロイが選択されます) |
![]() | モリブデンネジは、極めて高い融点 (約2,620℃): 高温環境下でも強度を維持します。 低熱膨張率:温度変化による寸法変化が少ないです。 高強度・高剛性:高い剛性を持ちます。 注意点:400℃以上の酸化雰囲気では酸化しやすいため、真空環境や不活性ガス環境での使用が推奨されます。 真空・還元雰囲気下で高温酸化に強い ~1 900 °C(真空/Ar)、<500 °C(空気中) | ・真空炉や熱処理炉の内部部品の固定 ・半導体製造装置の高温部 ・航空宇宙分野の高温部品 |
![]() | タンタルネジは、フッ酸を除くほとんどの化学薬品に対して、白金に匹敵するほどの耐食性を持ちます。 最強クラスの耐酸性:塩酸、硫酸、硝酸などの強酸にほとんど侵されません。 生体適合性:人体への影響が極めて少なく、金属アレルギーのリスクが低いです。 高融点 (約3,000℃):耐熱性にも優れます。 Ta₂O₅皮膜でほぼすべての酸に耐食(HF除く)~250 °C(濃硫酸・濃硝酸中)、~2 400 °C(高真空) | ・化学プラント: 強酸を使用する反応装置や配管の接合 ・医療分野: 人工骨やインプラントを固定するボーンスクリュー ・医薬品製造設備 |
![]() | タングステンネジは、全金属中最高の融点と、高い硬度・密度を誇ります。 最高の融点 (約3,422℃):あらゆる金属の中で最も熱に強いです。 高密度・高硬度:非常に硬く、重いです。 放射線遮蔽能力:ガンマ線などの放射線を遮蔽する能力が高いです。 注意点:硬度が高すぎるため、非常に脆く、衝撃に弱い性質があります。ネジの製造・取扱いには注意が必要です。 500 °C超の空気中で急速酸化 (WO₃) ~2 800 °C(真空/不活性)、<500 °C(空気) | ・超高温炉やプラズマ発生装置などの極限的な高温環境 ・放射線発生装置の内部や遮蔽体の固定 ・航空機のバランスウェイトなど、限られたスペースで重量が必要な箇所の固定 |
![]() | ハステロイネジは、様々な腐食環境に対してオールラウンドに優れた耐性を持つ「スーパーアロイ(超合金)」です。 究極の耐食性:テンレス鋼では耐えられない塩酸、硫酸などの強酸、海水、腐食性ガスなど、 酸化性と還元性の両方の厳しい環境に耐えます。 高温強度:高温下でのクリープ強度や耐酸化性に優れます。 種類が豊富:対象とする腐食環境に応じて、ハステロイC276、C22、B-3など様々な種類があります。 「他のどの材料でも腐食してしまう」という最後の砦として選ばれることが多いです。 還元性・酸化性双方の酸、Cl₂・湿塩素、Cl⁻割れに極めて強い ~425 °C(濃塩酸・硫酸など湿食環境)~1 040 °C(排ガス・燃焼雰囲気) | ・石油化学プラント、海洋開発設備 ・排煙脱硫装置などの公害防止プラント ・医薬品・農薬製造設備 |
精密な位置決めを行う
「ねじ」の製作
精密送りねじは、ボールねじほどの超高精度を必要としない場面で用いられる位置決め用ねじです。手動操作や簡易自動制御で安定した動作を実現するため、バックラッシ(がたつき)を極力抑えた設計が特徴です。
池上精機では、ねじ山形状をミクロン単位で制御し、真直度・同軸度・面粗度を高水準で保証。研究機器、測定装置、医療機器など、確実な位置決めが求められる幅広い分野に、高品質な送りねじを提供しています。

産業用レンズのオートフォーカス/ズーム機構
10–30 µm の精密バックラッシを「転造」で量産できるという強みは、
「中精度 × 大量生産 × 極端環境(薬品・真空・低温)」の装置群に直撃します。
光学・計測機器分野
光の波長レベルでの精度が求められるこの分野は、貴社の技術と非常に親和性が高いです。
用途: シネマレンズ(映画撮影用)やFAレンズ(工場での画像検査用)内部で、レンズ群を動かしピントや画角を調整する機構。
なぜ活きるか:映像撮影では、作動音がなく、非常に滑らかなピント送りが求められます。また、画像検査では、μm単位のピント精度が検査結果を左右します。
レーザー加工機・高精細3Dプリンタ
用途: レーザーヘッドや造形ノズルを動かすXYステージや、積層ピッチを決めるZ軸の駆動部。
なぜ活きるか:加工・造形の精度は、送りねじの精度そのものです。特に微細な加工や滑らかな曲面を持つ造形には、バックラッシの少ない精密な送りが不可欠です。
分光器・干渉計のミラー角度調整
用途:光を分光する回折格子や、光路長を変えるミラーの微小な角度・位置を調整する機構。
なぜ活きるか: 0.1度以下の角度調整やμm単位の位置調整が、計測データの精度を決定づけます。
人工衛星搭載機器の駆動部
極限環境で最高の信頼性と精度が求められる分野です。
用途: 展開式アンテナや太陽光パネルの角度調整、観測用センサーの向きを変えるジンバル機構など。
なぜ活きるか:一度打ち上げたら修理できないため、長期にわたる高い信頼性と動作精度が必須です。小型・軽量化にも貢献できます。
ドローン搭載カメラ・センサーのジンバル
用途: 機体の揺れを打ち消し、カメラやセンサーを常に安定した向きに保つ装置の駆動部。
なぜ活きるか:バックラッシが少ないことで、微振動を抑え、より滑らかで高画質な映像・データ取得が可能になります。
これらの分野のメーカーや研究機関は、常に「より精密に、より滑らかに、より確実に動かす」ためのコア技術を探しています。
貴社の「すり合わせ」による精密送りねじは、まさにその要求に応えるキーパーツとなるでしょう。
医療環境で使用されている
「ねじ」の製作
インプラント用ねじは、骨への固定力を安定させるために高い寸法精度と均一なねじ山が求められます。小径かつ複雑な形状であっても、精密切削・研削加工によってミクロン単位で形状を制御し、同芯度・真直度・表面精度に加えて、ねじ部の面粗さにも厳しい管理が行われることが特徴です。
医療機器製造業の認可を取得し、こうした厳しい加工要求に応えることで、医療機器メーカーに高品質なインプラント用ねじを提供しています。

設計、加工、部品調達、組立、配線、ソフトウェアのインストール、
デバグまで行えるのが池上精機の強みです
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